上部消化器疾患(食道・胃・十二指腸)
食道疾患
食道疾患には、逆流性食道炎、食道がん、食道裂孔ヘルニアなどがあります。逆流性食道炎:胃酸が食道に逆流し、食道粘膜に炎症を引き起こす病気です。主な症状として、胸焼けや酸味のある液体が口に戻ってくることが挙げられます。肥満、ストレス、喫煙、アルコール摂取が原因として関与しています。治療には、食生活の改善やプロトンポンプ阻害薬(PPI)を用いた薬物療法が効果的です。
- 食道がん:喫煙や飲酒が主なリスクファクターです。進行すると嚥下困難、体重減少、胸痛が現れることがあります。治療には、手術、放射線療法、化学療法を組み合わせることが多いです。
- 食道裂孔ヘルニア:胃の一部が胸部に脱出する疾患で、逆流性食道炎を伴うことがあります。重症の場合は手術が必要です。
胃疾患
胃疾患には、胃炎、胃潰瘍、ピロリ菌感染、胃がんなどが含まれます。
- 胃炎・胃潰瘍:ストレス、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、ピロリ菌感染が原因となることが多く、腹痛、吐き気、食欲不振などの症状が現れます。治療には、ピロリ菌除菌療法や胃酸抑制薬が使用され、食事の改善も推奨されます。
- ピロリ菌感染:ピロリ菌が胃の粘膜に感染し、炎症を引き起こす病気です。胃炎、胃潰瘍、胃がんのリスクを高めます。除菌療法による治療が必要です。
- 胃がん:日本では胃がんの発生率が高く、早期発見が非常に重要です。内視鏡検査で定期的なチェックが推奨され、治療は手術、化学療法、放射線療法が主な手段です。
十二指腸疾患
十二指腸潰瘍や腫瘍が代表的な疾患です。
- 十二指腸潰瘍:胃酸やピロリ菌の影響で、十二指腸の粘膜が損傷し、食後に腹痛が強くなるのが特徴です。治療には除菌療法や胃酸抑制薬が用いられ、食事の改善も再発予防に効果的です。
- 十二指腸腫瘍:悪性腫瘍の発生もあり、内視鏡検査での早期発見が重要です。発見が遅れると予後が悪化するため、定期的な検査が推奨されます。