医師が解説!症状・治療ガイド

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【糖尿病代謝内科】

⑪ GIP/GLP-1受容体作動薬 チルゼパチド(マンジャロ):
画期的な糖尿病治療薬とその体重減少効果

近年、糖尿病治療の分野では新たな薬剤の登場が注目を集めています。その中でも、GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチド(商品名:マンジャロ)は、従来の治療薬とは一線を画す画期的な作用を持ち、2025年現在、国内外で高い関心を集めています。本記事では、マンジャロの特徴、体重減少効果、そして榊原サピアタワークリニックでの治療体制について解説します。

【画期的な最新の糖尿病治療薬】

マンジャロは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)という、2つのホルモン受容体に作用する世界初の治療薬として登場しました。従来のGLP-1受容体作動薬(例:セマグルチドなど)と比較して、マンジャロはより強力な血糖降下作用を発揮するだけでなく、体重減少効果も大幅に高いことが臨床試験で示されています。

特に、2025年に発表された最新の国際共同研究では、マンジャロ投与群が平均体重の20%以上の減少を達成したことが報告され、これまでの糖尿病治療薬の枠を超えた“肥満治療への応用可能性”が注目されています。GLP-1単独作動薬では得られなかった効果の理由は、GIP受容体刺激による脂肪代謝促進作用や食欲抑制の相乗効果にあると考えられています。

【高い体重減少効果と期待されるメリット】

マンジャロの大きな特徴は、血糖コントロールだけでなく体重減少効果が極めて高い点です。糖尿病患者の多くは肥満を伴い、体重管理が血糖コントロールや合併症予防に直結するため、この効果は大きなメリットです。

具体的には、以下のような機序が考えられています。

  • 食欲の抑制:GIPとGLP-1が脳の満腹中枢に作用し、食欲を低下させる。
  • 胃排出の遅延:食事の消化吸収をゆるやかにし、満腹感を長時間維持。
  • インスリン分泌促進とグルカゴン抑制:食後の血糖上昇を抑える。
  • 脂肪組織への直接作用:脂肪分解を促進し、体脂肪の減少をサポート。

これらの複合的な作用により、マンジャロは2型糖尿病治療薬としての枠を超えた可能性を持つといえるでしょう。

【榊原サピアタワークリニックでの治療サポート】

榊原サピアタワークリニックでは、糖尿病専門医による厳格な管理のもと、マンジャロを含む最新の自己注射療法を提供しています。自己注射は患者様ご自身が在宅で行う治療法であり、正しい手技の習得と適切なフォローアップが不可欠です。当院では以下のような体制を整え、治療を安全にかつ効果的に行うべくサポートしています。

  • 初回投与時の丁寧な指導:糖尿病専門医・看護師がマンツーマンで自己注射の方法を指導。
  • 定期的な診察とモニタリング:血糖値、HbA1c、体重、合併症のリスク評価を継続的に実施。
  • 副作用への迅速な対応:消化器症状や低血糖、頻度は低いものの重篤な合併症である膵炎リスクなどについても慎重に経過観察。
  • 生活指導の充実:必要時には栄養士による食事指導や運動アドバイスも併せて実施し、治療の総合力を高めています。

患者様が安心して自己注射治療を続けられるよう、医師・看護師・薬剤師・栄養士が一丸となりサポートしています。

【糖尿病でない方への減量目的の処方は行っていません】

近年、SNSやメディアで「マンジャロはやせ薬」としてのイメージが先行し、糖尿病ではない方が美容目的での処方を希望するケースが増えています。しかし、榊原サピアタワークリニックでは、糖尿病専門医の立場から健康被害のリスクを回避するため、糖尿病でない方への減量目的でのマンジャロ処方は、自由診療含め一切行っておりません。

これは、マンジャロが医療用医薬品であり、適応症は(2025年8月現在)2型糖尿病に限られていること、またマンジャロは現時点では肥満治療には保険適用外であること、さらに医師の管理下での使用が必須であることを重く受け止めているためです。「やせたいから」「楽に体重を減らしたいから」という理由での安易な使用は、健康を損なうリスクがあります。

マンジャロ(チルゼパチド)は、最新の糖尿病治療薬として血糖コントロールと体重減少の両面で高い効果を発揮し、2型糖尿病治療の新たな可能性を切り開いています。一方で、その使用には専門的な知識と管理が必要不可欠です。榊原サピアタワークリニックでは、糖尿病専門医による厳格な管理体制のもと、安全性を高めつつ効果的な治療を提供しています。

ご興味をお持ちの方はまずはご相談ください。正しい知識と適切な治療で、健康的な未来への一歩をサポートいたします。

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